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■NHK番組改変訴訟の東京高裁判決の要旨は次の通り。
《期待を抱く特段の事情》
放送事業者の編集の自由は憲法上も尊重されるべき権利で、取材対象者が番組に何らかの期待を抱いたとしても、番組の編集、制作が不当に制限されてはならない。他方、どう編集されるかは、取材対象者が取材に応じるかどうかの意思決定の要因となり得る。この両面を考えると、取材者の言動により取材対象者がそのような期待を抱くのもやむを得ない特段の事情が認められるときは、取材対象者の番組への期待と信頼が法的に保護されるべきである。
被告の説明や取材、原告の協力にかんがみれば、番組は女性法廷の判決までの過程を、被害者の証言を含め客観的に概観できるドキュメンタリーか、それに準じる内容になるとの期待と信頼を、原告が抱くのもやむを得ない特段の事情が認められる。
《期待、信頼の侵害と理由》
放送された番組はドキュメンタリーとはかい離し、原告らの期待と信頼を侵害するというべきである。NHKは01年1月26日、普段立ち会いが予定されていない松尾武放送総局長、国会担当の野島直樹総合企画室担当局長が立ち会って試写を行い1回目の修正がされ、修正版について現場を外して2人と伊東律子番組制作局長、吉岡民夫教養番組部部長のみで協議し、その指示でほぼ完成した番組になった。さらに放送当日に松尾総局長から旧日本軍兵士と元慰安婦女性の証言部分の削除が指示され、最終的に番組を完成しており、本件番組は制作に携わる者の制作方針を離れて編集されていったことが認められる。
その理由を検討すると、番組放送前に右翼団体から抗議されNHKが敏感になっていた折に、予算の国会承認を得るため各方面へ説明する時期と重なり、番組が予算編成に影響を与えないようにしたいとの思惑から、説明のため松尾総局長と野島局長が国会議員と接触した際、相手から番組作りは公平・中立であるようにとの発言がなされた。2人が相手の発言を必要以上に重く受け止め、その意図をそんたくして当たり障りのない番組にすることを考えて試写に臨み、その結果、改編が行われたと認められる。
原告らは政治家が番組に対し直接指示をし介入したと主張するが、面談の際に一般論として述べた以上に政治家が番組に関し具体的な話や示唆をしたこと
までは認めるに足りない。
《説明義務違反と不法行為》
番組制作者や取材者は特段の事情がある時に限り、内容や変更を取材対象者に説明する義務を負う。本件で原告は番組内容に期待と信頼を生じ、特段の事情がある。被告が説明義務を果たさなかった結果、原告は番組からの離脱や善処申し入れの手段を取れなくなり、法的利益を侵害された。
NHKは番組改編を実際に決定して行い、放送したことから、原告の期待と信頼を侵害した不法行為責任を負い、説明義務を怠った責任も負う。NHKは制作担当者の方針を離れてまで国会議員の意向をそんたくして改編し、責任が重大であることは明らかである。
安倍晋三首相は27日夜、佐田玄一郎行政改革担当相の辞任について「当然、任命者として国民に対し、責任を感じている」と述べ、自らの任命責任を認めた。その上で「(後任に)適切な人を任命し、結果を出していくことで責任を果たしたい」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
首相は、佐田氏から午後5時ごろ、電話で「政治資金収支報告書に不適切な記載があったので、責任を取って職を辞したい」と報告を受け、了承したと説明。「不適切な処理であればやむをえない。政治家は李下に冠を正さずということで、常に襟を正していくことが大切だ」と語った。
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